全国大会に出場する選手が最初にチェックするべきドーピング対策5つのポイント

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念願叶って「地区大会優勝」!
全国大会への切符を手にしたら、拳を天に掲げてガッツポーズ。
テンションもやる気もますますみなぎりますね。
 
全国大会などの主要な大会では必ずと言っていいほどドーピング検査が行われます。
さまざまな大会で実施されていますが、
検査についてあまり知らないという人が多いのが事実です。
 
今回は、ドーピング検査が実施される大会への出場が決まったら
しなければならないことをご紹介します。
 
そもそも、なぜドーピング検査が行われるのかご存知ですか?
 
 

 ドーピング検査はなぜ必要なのか 

 
もし、自転車の競技大会が行われるとします。
そのうち一人だけ自転車に電動装置をつけて入っていたら
あなたはどう思いますか?
 
「その人は順位付けするべきではない」
「一生懸命練習したのに、そんな人がいる大会には出場したくない」
と感じる人もいるでしょう。
 
ドーピング検査はスポーツの公平性を保つために導入された検査です。
 
公平性を保つことは、スポーツへ精神を保つことでもあります。
 
つまり、ドーピング検査とは、真にスポーツマンシップに基づいた
大会であることを証明するために欠かせない要素なのです。
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とはいえ、
自分はオリンピック選手でもないし、
そんな悪いことしていないから自分には関係がない
と思っている方もいるでしょう。
 
そう思っている方にお伝えしたいことがあります。
 
 

 ぼくも検査を受けるかもしれない!?  

 
ドーピング検査は検査対象の大会に出場する全選手
行われる可能性があります。
 
実際、平成27年国民体育大会では
252名もの方がドーピング検査の対象となりました。
 
 
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誰が検査の対象となるかは極秘事項なので
本人もコーチも直前までわからないようになっています。
 
検査は選手の中から「無作為」に行われます。
 
ですから、「まだそこまでのレベルではないから関係ない」
と思っている方も検査が行われる可能性は十分にあるのです。
 
 

 違反になったらどうなるの? 〜違反の恐怖 

 
ドーピング違反になるとどうなるかご存知ですか?
 
ニュースで報道されるように
表彰メダルは剥奪され、記録も取り消されます。
 
それだけではありません。
・罰則期間中は練習に参加すること
・練習会場に立ち入ること
・チームメンバーにかかわること
・競技の指導にあたること
が禁止されます。
 
ですから、「出場できないんだったらその分トレーニングに精を出そう」
ということはできません。
すべてのトレーニングが行えなくなるのです。
 
制裁期間は状況により異なりますが、
少なくとも数ヶ月間です。
 
あなたのいないチームはどうなるでしょう?
違反者を出したチームはどういうふうに周りから見られるでしょう?
 
「違反者を出したチーム」として周囲から見られるようになると
組織としての信頼も大きく失います。
 
チームとしても違反者の発生は防いでおきたいものです。
 
大会に出場が決まったら、
今すぐ対策を行いましょう。
 
 

大会前にすべき5つのこと〜1、持病があれば主治医に相談 

 
持病があってすでに服薬している場合にはドーピング禁止物質でない薬かどうかを確認し、必要に応じて処方を変更してもらう必要があります。
 
もし、変更できない場合には使用薬を申請すれば使用できます。→TUE申請
 
しかし、医師の中でもドーピングについての知識を持つ方はごくわずか。
ドーピング相談を専門とする薬剤師に相談するとよいでしょう。
 
確認の仕方は3で紹介します。
 
 

2、大会前後や練習のとき使用する薬やサプリを要チェック 

 
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普段の練習の時、大会前に使用する薬やサプリメント、栄養ドリンクはありますか?
よく使われる薬は痛み止め、下痢止め、頭痛薬などです。
 
使用する可能性があるものをすべて書き出し、ドーピング禁止物質が含まれていないか確認しましょう。
 
 

3、確認は必ず専門家へ 

 
ドーピング禁止物質かどうかを確認する際にはドーピングの知識を持つ医師か薬剤師に行いましょう。
インターネットで「スポーツファーマシスト検索」と検索、
近所の薬剤師を探し出すことができます。
 
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日常的に薬を飲む方は、薬が変わるたびに専門の薬剤師に確認してもらいましょう。
禁止物質でない薬の選び方についても相談することができます。
 
 

4、油断大敵、自宅の常備薬も要チェック

 
自宅にある常備薬も必ず確認しましょう。
「自分は飲まないようにすればいい」と思うかもしれません。
 
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しかし、風邪をひいたり熱が出れば、家族はあなたに早く治ってもらいたいと思うはず。
薬を差し出してくれるのです。
つらいあまりにその薬を飲んでしまっては万が一のことがあるかもしれません。
 
ですから、家の救急箱にいれる薬はすべてスポーツファーマシストに伝え、
違反でないか確認しましょう。
 
特に咳止め、風邪薬には多くの場合禁止物質が含まれています。
もし禁止物質が含まれていたら、救急箱から出し、
すべて禁止でないものに変えておきましょう。
 
 

5、大会前後、「これいいよ」と言って渡される差し入れ

 
激励のために差し出される栄養ドリンクやサプリメント
親切心からくるのだと思いますが、すぐに口に入れてはいけません。
 
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せっかくの好意ですからありがたくいただき、確認が終わるまでは口に入れないようにしましょう。
 
この時に多いのが、「これは大丈夫だから!」という言葉です。
その人が言うなら…と言って安易に飲んでしまい後から後悔するケースが多く見られます。
 
その人がドーピングに精通している人でない限り、禁止物質でない保証はありません。
必ず自分で信頼できる専門家に確認してから口にいれるようにしましょう。
 
 

食べ物も全部注意しておくべきなの?

 
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ドーピング禁止物質で多く見られるのは
栄養ドリンク、サプリメント、薬です。
 
食事は違反物質が混入していないという保証はありませんが
確認がしにくいため気をつけることは難しいものです。
 
ですから、
「栄養ドリンク、サプリメント、薬」の3つに注意する
と覚えておきましょう。
 
 

違反でないことを確認できたものだけ身の回りに置く

 
 
ドーピング違反でないことがはっきりしない食べ物には
「置いておかない」「受け取らない」「口に入れる前に確認する」
ことが大切です。
 
そして、
病院、薬局に行く時には、
 ・自分がアスリートであること、
 ・ドーピング違反にならない処方を希望すること
を必ず伝えましょう。
 
全国大会に出場することが決まったら、
スポーツマンシップに則った真のアスリートであるという意識が必要です。
 
誰もが平等にスポーツに取り組める環境を作り
スポーツの価値を守っていきましょう。
 
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《執筆》
 
薬剤師
公認スポーツファーマシスト
田中 由那子
 
調剤薬局に勤める薬剤師
2013年公認スポーツファーマシストを取得。
2013年東京国民体育大会でドーピング防止啓発活動を行う。
活動日の未明に東京オリンピック開催が決定。大会では歓喜に包まれ、
自分もオリンピックを視野に入れるようになる。
どの競技のアスリートも夢の祭典として挑むオリンピックに
薬剤師として貢献したいと思い、ドーピング防止活動を普及することを決意する。
ドーピング相談では、使用可能かの判断にとどまらず、
選手が薬を飲むタイミングや副作用の可能性のアドバイスを行う。
さらに多くのアスリートやトレーナーにアンチドーピングの情報を届けるために記事を執筆している。
夢は、日本におけるドーピング違反者をゼロにすること
 
競技会前後のドーピング相談先
https://ssl.form-mailer.jp/fms/9f21825e471664