毛細血管は細くて弱いかもしれけど増やすと運動能力が上がる件

毛細血管はスポーツにおいて持久力が影響すると言われていますが、
最近ではスプリント(短距離走)や疲労回復にも効果があると言われています。

毛細血管を増やすことができれば足を速くすることに繋がるなんてことがあったら
競技を行う上で有利になる選手は多いでしょう。

具体的にどうやって増やしていくのかも含めてチェックしていきましょう。

そもそも毛細血管って何?どこにあるの?

毛細血管とは

毛細血管とはその名の通りとても細い血管で、
直径は約0.01mm程度と言われています。

肉眼では見えないくらいの極細血管ですが、
全身に血液を通して酸素を運ぶ重要な器官でもあります。

動脈や静脈は血液を運ぶのがメインの役割なのに対して、
毛細血管は
腺細胞からホルモンを受け取って全身の血液にのせるため、
生命活動の根幹にかかわる働きを担っています。

スポーツにおいても毛細血管はパフォーマンスに影響していた

毛細血管が増えると筋繊維内に流れ込む血液量が増えます。

血液量の増加に比例して運搬される酸素も多くなるため
有酸素運動に必要な酸素を長い時間供給することができます。

またそれだけでなく近年の研究では疲労回復のスピードが早くなったり、
スプリントパフォーマンスにも改善が見られたとのデータがあります。

あらためてデータも見ながら毛細血管とパフォーマンスの関係、
そしてどのようにして毛細血管を増やしていくのか、
という部分も解説していきます。

なぜ毛細血管がスポーツにおけるパフォーマンスをあげる上で重要か

持久力が向上する

毛細血管が増えると最大酸素摂取量が増えるので
持久力が上がるというデータがあります。

正確にいうとLアルギニンの摂取でNOにより
血管が拡張して血流が増えると毛細血管が増え、
酸素や栄養素の運搬がスムーズになり、持久力が向上するというもの。(※1)

出典
(※1)Effects of oral supplementation of L-arginine in the treatment of pulmonary hypertension secondary to pulmonary embolism: a case report.
Fukushima J Med Sci. 2010 Dec;56(2):135-8.

瞬発力が向上する

アメリカの大学バスケットボール部の学生にBCAAとアルギニンを摂取することによって
垂直跳びとスプリント(短距離)のタイムが著しく向上したとの実験結果があります。

https://www.researchgate.net/publication/305311754_Branched-chain_amino_acids_arginine_citrulline_alleviate_central_fatigue_after_3_simulated_matches_in_taekwondo_athletes_A_randomized_controlled_trial

割合としてはBCAAを0.17 g/kgの分量(ロイシン:イソロイシン:バリン=2:1:1)、
アルギニンを0.04g/kgで摂取しています。

比較対象として何も取ってないチームと比較しています。

これも内容としてはBCAAとアルギニンを取ることによって
疲労を感じさせるセロトニンの生成が抑えられるからだと言われています。

疲労物質の排出が早い

こちらも12人のテコンドー選手が3分間の試合を行うとき、
BCAA、アルギニン、シトルリンを摂取すると疲労度がどう変化するのかを摂
取する前後で2回調査した実験があります。

結果的にはBCAA、アルギニン、シトルリンを摂取した方が
その後の疲労度を測るテストで比較対象よりも良い結果が出たとの報告があります。

考えられることととしてBCAA、アルギニン、シトルリンを摂取することによって
疲労物質であるアンモニアを無毒化する尿素回路が活性化されるため、
エネルギーを効率的に生み出すことが可能になり、疲労も感じづらくなるとのことです。

尿素回路に関しては詳しい内容はまた別の記事で解説していこうと思います。

毛細血管を増やす方法

体を温める

アリシンが含まれるニンニクを摂る

ニンニクに含まれるアリシンは加熱すると
スコルニジンという物質に変わります。

スコルニジンは毛細血管を拡張し、
細胞の生まれ変わりである新陳代謝を活性化させる効果があります。

 

また、スコルニジンには血管を拡張し、
血液の流れをスムーズにすることで血圧を下げたり、
血中の余分なコレステロールを除去する働きがあるため、
動脈硬化も防ぎ易いと言われています。

 

効果的な摂取方法とその量ですが、結論から言えば
生のニンニクなら1日1片、加熱したニンニクなら1日2~3片で良いです。

抗菌や殺菌力も期待するのであれば生の状態がもっとも強力なため、
生ニンニクをすりおろしたものを使うのが一番良いです。

またニンニクのすりおろしは繊維質を破壊することで
アリシンは酵素の働きを増幅させます。

アリシンの酵素の活性化が大きくなるのはすりおろしてから10分後です。

さらにニンニクを丸ごと調理すればアリシンの効果を閉じ込めながら
生の状態と同じ効果を得ることができます。

カプサイシンが含まれる唐辛子を使った料理を食べる

2012年に発表された大阪大学の研究によると

カプサイシン(唐辛子の辛味成分)投与により、
大脳の島皮質と呼ばれる領域の前部にある味覚野(味覚の認知をおこなう領野)の
電気刺激によって生じた神経活動は、味覚野後部に隣接する
自律機能関連領野(内臓機能をコントロールする領野)へと拡がり、
島皮質の前部と後部の神経細胞集団の間にシータリズム※2(4~8Hz)で
同期化した神経ネットワーク活動が生じることを明らかにしました。

 

なんのこっちゃわからないですね^^;

もっと簡単に言うと自律神経の機能を正常化する作用があり、
それにより血流の流れを活発化させる働きがあると言うことに繋がるようです。

血流の流れがよくなれば体も温まり、
結果として毛細血管が増えることにつながります。

交代浴をする

交代浴は以前も触れたことがありますが、
18℃の低音の水と42℃の割と温度が高めのお湯をはった浴槽に交互に入浴するというものです。

私はスパに行ったときにサウナと水風呂に交代で入るというのを実践していますが、
血流が良くなっているのがリアルタイムでわかります。

こちらも自律神経を整える作用があり、血流が増えることで疲労回復が早まったり、
冷え性やむくみの改善にも効果があるとされています。

ちなみに交代浴はオリンピックアスリートも実践している方法ですので
一度試してみてはいかがでしょうか?

血流を促進する

アルギニンとシトルリンが含まれるサプリメント摂取

アルギニンを摂取するとそれを原料として
一酸化窒素(以下NO)を発生させることができるんです。

NOは血行促進作用があり、実際に血管が拡張することが報告されています。

血行が促進するということは血流も促進するため、
それが毛細血管の発達に繋がる、ということになります。

ただ、アルギニンだけを大量に摂取してしまうと
アルカリが強いため胸焼けや消化不良を起こしてしまう可能性があるんです。

そのためにシトルリンも一緒に取ると良いとされています。

なぜならシトルリンも尿素回路の活性化により
アルギニンに変換されるという性質を持っているからです。

アルギニンとシトルリンを両方摂取することにより
アルギニンの濃度がある程度高いまま維持されるため、
NOが発生し続け、その分血流が良くなり続けるというわけです。

ポリフェノールが含まれるカシスやカカオを摂る

カシスポリフェノールには抗酸化作用もあるのですが、
血流改善効果があることがわかっています。

カカオにも同様のポリフェノールが含まれており、
やはり血流改善効果があります。

Tie2の動きを促進するシナモンやヒハツを摂る

体内には丈夫な毛細血管をつくる
「Tie2(タイツー)」という物質があります。

このTie2は、加齢とともに動きが低下してしまうのですが、
ルイボスティーやシナモン、ヒハツなどに含まれている「シンナムアルデヒド」という成分が、
Tie2の動きを促進する働きがあるのです。

さらに、丈夫な毛細血管を維持して、
傷ついた毛細血管の修復もできる可能性もあるので、
いまも研究が進められています。

腹式呼吸をする

普段の生活では知らず知らずのうちに
胸式呼吸をされている方が多いと思います。

胸式呼吸とは息を吸ったときには、
肋骨が引き上がり胸郭を広げ空気を取り入れて胸が膨らみ、
息を吐いたときに肋骨が引き下がり胸郭が狭くなって空気を排出するという呼吸法です。

普段から何気なく使っている胸式呼吸は
実は“浅い”呼吸になりがち、というところもあります。

リラックスして血流を良くするためにも腹式の
“深い”呼吸に意識して取り組んでみましょう、ということです。

腹式呼吸では1度の呼吸で取り入れられる酸素は、胸式呼吸の3倍以上です。

腹式呼吸で血液の循環を高めたり全身の血行を高めることができたり、
自律神経のバランスが整える作用があります。

ゆっくりした呼吸は不安を軽減したりリラックス状態につながり、
息を長く吐いていくことで、怒りや時間の切迫感、焦燥感の軽減につながると言われています。

それでは実際に取り組んでみましょう!

まず、肩の力、首の力が抜けていることを確認して、
坐骨に体重が乗っていることを確認しながら椅子に座ってみましょう。

軽く目をつぶり、呼吸に目を向けてみます。
最初に肺にある息をフーっとゆっくり吐き切りましょう。
ここで「吐き切って」から始めることがとても大切です。

吐き出せたら、鼻から静かに吸っていきます。

このときお腹に空気を入れていきましょう!
膨らませるのは胸ではないので注意して下さいね。

「1・2・3」と心の中でカウントしながら
鼻から吸って 「4」で吸うのを止め、
「5」からは口からゆっくり長く吐いていきます。

このときもお腹にある空気を
ゆっくり出していくという感覚で行いましょう。

「5・6・7・ 8・9・10」と心の中でゆっくりゆっくりカウントしながら、
“スーーーッ”と吐いていき、

「10」で息を吐ききるようにします。
吐ききれたら、また「1」から息を吸って繰り返していきます。
このやり方で1分~3分ほど続けてみてください。

無酸素運動と有酸素運動を両方する

毛細血管を増やす運動として、筋トレ(もしくは短距離ダッシュ)と
ウォーキングをおこなうのが最も効果的です。

筋トレは、「腕立て伏せ」「腹筋+背筋」「スクワット」を
日替わりで5分おこないます。

短距離ダッシュであれば100mを3〜5本で良いでしょう。

ちゃんと全力で走って欲しいのですが、
ムリだけは絶対にしないようにして下さい。

また急に負荷をかけるのは危ないので
ストレッチを十分にすることが大事ですし、
慣れるまでは筋トレの方が良いでしょう。

筋トレを含む無酸素運動おこなう理由は、
負荷をかけて傷ついた筋肉は48~72時間かけて超回復して強化されるためです。

ウォーキングなどの有酸素運動は、血流をよくする効果があり、
酸素や栄養素が血液中を循環しやすくなるメリットがあります。

ちなみにウォーキングの量ですが、
1日30分程度のウォーキングで十分です。

質の高い睡眠をとる

睡眠をとることで、昼間に摂取した栄養素や睡眠中に分泌される
ホルモンが毛細血管の末梢まで届き、体がメンテナンスされていきます。

きちんと体内がメンテナンスされるためには、
質の高い睡眠をとることが大切です。

質の高い睡眠をとるには、体内リズムが整っていることが大前提となります。
また、睡眠時間も日付が変わる前に寝ることで、
成長ホルモンなどが分泌され体内をメンテナンスしてくれるのです。

体内リズムを整えるコツは、朝起きたらしっかりと朝日を浴びることです。
朝の光を浴びることで体内時計がリセットされ、
各器官が活動しはじめます。

そして、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の材料となる
「セロトニン」が分泌されます。

このセロトニンに分泌が質の高い睡眠をとるための重要なホルモンとなるのです。
セロトニンは朝の光を浴びることで多く分泌されます。
朝起きたら10~30分程度、散歩をすると効果的です。

血液をキレイにする

DHAとEPAが含まれる青魚を食べたり、サプリメントを摂取する

いわゆる血液サラサラ効果があると言われるDHAとEPA。

摂取すると赤血球自体がやわらかくなり、
血液粘度も低下する(サラサラになる)ことが確認されています。

 

例えば道路を長年使ってそのままにしておくと、
いろいろなゴミが溜まったり、キズができて傷んだりするとの同じように、
血管もヒトが産まれた時から休みなく酸素や栄養を運搬しているため、
10歳代ごろから急速に動脈硬化の初期病変が広がり、
20歳代を過ぎて30歳代になると動脈硬化がみられるようになります。

この傷んだ道路、血管のメンテナンスに、EPAが有効に働くのです。
の効果を見る前に、血管に溜まるゴミの正体と、動脈硬化のできる過程について解説しましょう。

まずは、血管に溜まるのゴミの正体について、それは、コレステロールや中性脂肪などです。

これらがどんどん血管内に増えていくと、
体はそれらを異物としてみなし、排除しようとします。

その時に実際に発生するのがマクロファージという細胞なのですが、
コレステロールや中性脂肪などをどんどん食べて肥大化していきます。

それだけならいいのですが、大きくなりすぎるとそのまま死んでしまい
血管に蓄積してしまうのです。これが積み重なるとプラークと呼ばれるものになり

動脈硬化の原因になります。

しかし、EPAを摂ると血小板の活性化を鎮静化するのでプラークの形状が変化し、
破裂しづらい状態になります。

プラークが破裂すると血栓が原因で心筋梗塞や脳梗塞になりやすくなるため
それを抑えることができます。

またEPAの摂取は赤血球の流動性を高めて血液粘度を下げ、
圧低下の方向に働きます。

結果として血流もよくなるため、
毛細血管を増やすのには良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

毛細血管を増やすことはスポーツをする者にとってパフォーマンスを上げる
重要な項目と言ってもいいかもしれません。

具体的な方法まで記載おりますので、まずは取り組みやすい
交代浴や腹式呼吸から始めてみてはいかがでしょうか?