スポーツで役立つ咀嚼(噛むこと)による筋力アップの効果とメカニズム

スポーツをする人にとって咀嚼力、噛む力がどれだけ重要か意識したことがありますか?
咀嚼力が運動に与える効果というのは大きいものがあり、
一瞬の力を発揮する際に大切になります。

今回は咀嚼による筋力アップの効果とそのメカニズムについて解説します。

噛む(咀嚼する)とは

噛む定義とその役割

ものを噛む、つまり咀嚼するということの定義については、
口に入れた食物を噛んで粉砕することとされます。

ものを噛んで細かくすることにより胃腸へ届けられた際の消化をアシストすることにもなります。
普段から柔らかいものばかり食べたりしているとこの咀嚼力が低下していきます。

咀嚼筋の種類と役割について

咀嚼には咀嚼筋という筋肉を使って行われますが、
閉口筋と開口筋という
2種類の筋肉に分かれます。

つまり、口を閉じる際に使われる筋肉と、
開く際に使われる筋肉のことです。

閉口筋の種類としては咬筋、側頭筋、内側翼突筋、外側翼突筋上頭があり、
開口筋の種類には顎舌骨筋、オトガイ舌骨筋、顎二腹筋、茎突舌骨筋、外側翼突筋下頭があります。

それぞれの筋肉は、噛む、顎を動かす、舌を動かすという動作に関与しており、
単にものを噛むだけでもこれだけの筋肉が使われているということがわかります。

咀嚼筋がスポーツで使われるのはどういうときか

咀嚼力がスポーツで使われる場面というのは、
強いインパクトを与える瞬間です。

例えば、サッカーでいえばシュートを撃つ際、
野球でいえばバッターがボールを打つ際、その他、ウエイトトレーニングにおいて
高重量を挙げる際にも咀嚼力が使われます。

実際、咀嚼力が強いほどインパクトを与える瞬間にパワーを伝えやすくなっており、
腕力や脚力を鍛えるだけでなく、噛む力もスポーツにおいて非常に重要といえます。

スポーツ選手が「噛む」ことのメリット

脳が活性化される(血流が促進される)

近年では、噛むことにより脳の機能が活性化されるという研究も出ています。

「噛む」という動作には多くの筋肉が稼働されることは先ほど説明しましたが、
この際、脳内の血流が促進され、脳の神経が活発になります。

これにより脳の運動野や感覚野、前頭野、小脳に活性がみられるようになります。

・実際の研究データ

実際に咀嚼前、咀嚼中、咀嚼後の脳活性を測った研究データにおいても、
脳内の血流は咀嚼中にアップし、咀嚼を終えると緩やかになっていくことがわかっています。

筋力アップとパフォーマンスアップ

上記でサッカーや野球などにおいて噛む力の重要性を説明しましたが、
実際、歯を食いしばることで筋力がアップします。

ただし、どのタイミングで歯を食いしばるかが大事であり、
力を入れる場面と脱力する場面を使わけないといけません。

基本的には、インパクトの瞬間にぐっと噛み、
その後は力を抜くことが大事になります。

咀嚼力を上げるには正しい歯並びをしていることも大切ですが、
個人差がありますので、その際にはマウスピースを付けることも一案です。

・実際の研究データ

上記で紹介のように、パワーを発揮する競技においても
噛む力が強いほど高いパフォーマンスが発揮できることが証明されています。

噛む力の安定やマウスガードの使用により競技性が安定したという例も報告されている他、
歯を失ったり噛み合わせが悪くなることでパフォーマンスが低下したという例も報告されています。

バランス感覚が養われる

歯並びが悪いと、体のバランスを保つ三半規管に影響を与えてしまいます。

もともとの歯並びや噛み合わせももちろんですが、
普段から左右どちらかの歯でしか噛まないという人も、バランス感覚が損なわれてしまいます。

・実際の研究データ

実際の研究においても、噛み合わせが悪くなるほど
体の重心のバランスが悪くなるという結果が出ています。

奥歯の噛み合わせがあっていないと体の軸を維持できない一方、
噛み合わせがしっかりしていればそれだけ安定したフォームで
競技を行うことができるとされています。

噛んでパフォーマンスアップを実現させるために具体的にできること

マウスピースとその効果

マウスピース(マウスガード)の装着により、
運動能力がアップするという科学的な証拠はないものの、
少なくとも上下の歯の噛み合わせが何もつけないよりもスムーズにできるということから、
やはり装着によりパワーを発揮することが容易になるということが言えます。

ぐっと噛みしめることができれば体が安定しますし、
パワーをより伝えやすくもなります。

そういった意味でもコンタクトスポーツや球技において、
マウスピースは重要な役割を持つといえます。

ガムを噛むこととその効果

アスリートにはよくガムを噛んでいる人がいますが、
あれにはリラックス効果があるだけでなく、
筋力の発揮にも効果を果たしています。

インパクトの瞬間に歯をかみしめることの重要性は先ほどから説明していますが、
ガムをかむことで噛む力を養うことができ、それによりパワー伝えやすくなります。

まとめ

噛むという動作には多くの筋肉が稼働されている

噛むことで脳が活性化される

正しく噛むことができれば、運動におけるパフォーマンスを上げることができる

噛み合わせが悪いと体のバランスが崩れる

噛み合わせを調節するためにマウスピースを利用することも考える