スポーツパフォーマンスを上げるウォーミングアップのメニューとその効果

競技において怪我を防止したり高いパフォーマンスを発揮するには、しっかりとした準備が必要です。

そこで今回は、本番前の準備運動であるウォーミングアップについて紹介し、
その具体的なメニューや効果について見ていきたいと思います。

なんのためにウォーミングアップをするのか

まず、ウォーミングアップを行う理由について見ていきます。

当然ですが、ウォーミングアップは筋肉をほぐし、
臨戦態勢を整えて本番で好成績を出すために行います。

競技場や球場などに入って、はいスタート!
といきなり本番が始まったところで体が動くはずがありません。

競技によっては本番が数分で終了することもありますが、
その数分のためにそれ以上の時間をかけてウォーミングアップを行うわけです。

パフォーマンスが上がる内容と時間を見つける

実際にウォーミングアップを行うにしても、
最初からどれだけの時間を割くかについてははっきりしないと思います。

そこでまず行うべきこととして、
自身のウォーミングアップ時間の適切な長さを知りましょう。

例えば30分ウォーミングアップを行った時のパフォーマンスへの効果と
20分行った時の効果を比較し、より効果のあった時間を
正式なウォーミングアップの時間として採用するというものです。

細かくデータを記録し、どれが自分にとってベストな時間かを考えましょう。

必ずパフォーマンスを上げるための考え方と改善方法

パフォーマンスを上げるには、より細かく自分の動きを知ることが大事になります。

・要素を分解する

動きの中の要素を細かく分解していくことで、
本番での動きが見えてきます。

例えば、短距離選手の場合であれば
ピッチとストライドのバランスがスピードを決めます。
※ピッチは1秒あたりの歩数、ストライドは1歩あたりの歩幅です。

自分が望むタイムを出すためにはどれくらいのピッチと歩幅で走るのがいいのかを
ウォーミングアップで決定していきましょう。

ウォーミングアップにつながるメニュー候補とその効果

では、ウォーミングアップにつながるメニューの候補と
その効果について見ていきたいと思います。

パフォーマンスが高いアスリートは他の選手が動かないところが動く

パフォーマンスが高いアスリートほど、
その競技で使うべき筋肉や関節がちゃんと動いています。

そして、どのような競技においても、全身を使って運動を行っていますので、
結論から言うと、パフォーマンスの高いアスリートほど、
全身がちゃんと動いているということが言えます。

もっと言えば他の選手が動いていないところが動いています。

では、以下で実際にパフォーマンスを上げる上で注目したい体の部分を見ていきます。

・仙腸関節

仙腸関節は骨盤の中央にある仙骨という部分と腸骨の部分の関節になります。
ここは解剖学的には動く動かないの論争があったりしますが、
私がお世話になっているトレーナーさんはここが動くとして選手の指導を行って
実際にパフォーマンスが上がっていることからここでは動くとして話を進めていきます。

・鎖骨・肩甲骨

鎖骨や肩甲骨がしっかり稼働できると非常に速く腕を振ることができます。
ボールを投げることや槍を投げるなど、球やモノ投げる際にはもちろん遠くまで投げられますし、
スピードを出すことができます。

スプリントでも重要で肩甲骨ごと腕を振って走ることができれば、
接地時間の短さにより足を使って加速することが難しい全力疾走区間でも
加速し続けることができます。

・背骨

背骨は一番と言ってもいいくらいその形状と状態がパフォーマンスに影響を与えます。
トップアスリートは背骨が生理湾曲をしているだけでなく、重心が高い状態で、
しかも滑らかに稼働します。

背骨のストレッチ

なぜ背骨をストレッチするのがいいのか?

背骨の形状や状態がスポーツのパフォーマンスを決定する上で非常に重要な要素だからです。
この背骨の形状が生理湾曲をしていて、滑らかに動く状態というのは
トップアスリートであるために必要な条件であると私は考えています。

元NBAバスケットボール選手のマイケル・ジョーダン選手や
サッカーのレアル・マドリードや名だたるトップチームで活躍した
ロナウド・ルイス・ナザリオジリマ選手、
ボクシング元ヘビー級チャンピオンのマイク・タイソン選手なんかはそうですよね。

なぜ背骨の形状や状態がスポーツのパフォーマンスは別の記事で解説
していますのでここでは軽く解説するだけにしますが、
要は”重心”が前に非常に進みやすいのが背骨が生理湾曲していて、
しかも滑らかに動く状態だからです。

なぜ背骨の状態がスポーツのパフォーマンスに影響するのか?

背骨をストレッチして椎骨の1つ1つが滑らかに動くと
重心移動を伴うスポーツではパフォーマンスが上がるのですが、
具体的にどうやって背骨を柔らかくしていけばよいのかを説明していきます。

どうやって背骨をストレッチするのか

具体的に背骨のストレッチ方法を説明していきます。

・背骨を左右にストレッチする

・背骨を前後にストレッチする

骨盤のストレッチ

なぜ骨盤をストレッチするのがいいのか?

まず下半身のパーツは股関節・骨盤ブロック、足関節・足の裏ブロック、膝関節ブロックに分かれます。
この中で股関節の役割はパワーを発揮する場所なのです。
ですからパワーを発揮しやすい状態を作る必要があります。

そのためには骨盤を固める・固くするということを
させないようにすることです。

要はできるだけ動きやすい状態を作ってあげるということです。

ただ、本来は動くはずの部分に胴体から上の体重を載せるわけですから、
動きづらくなってしまうというのはなんとなく想像できるかと思います。

ただ、この部分が固まって動かなくなってしまうと当然可動性と活動量が落ち、
パワーを発揮しづらくなってしまいます。

そのために股関節・骨盤ブロックの部分をストレッチすることで
可動性を上げ、きちんとパワーを発揮しやすい状態にする必要があるのです。

あと重要なこととして足関節・足の裏ブロックがきちんと体重を支える、
という役割ができる状態にすることです。

こちらの足関節・足の裏ブロックに関しては
また別の記事で取り上げていきたいと思います。

どうやって骨盤をストレッチするのか

まず準備段階として普通に歩いてみて
現状の骨盤の動きやすさを覚えておいてください。

①左半身が上になるように横向きになって寝てください。
枕などを置き、頭と首の位置を固定すると良いです。

②左足を体に対して前傾に、右足を後ろ側に出します。

③左足を右手で、右足を左手で持ちます。

④左足を右手で、右足を左手で持ちます。

⑤前後に開かれた足をさらに開こうとしてください。
右腿の前側などが伸ばされるのを感じると思います。

⑥ ⑤の状態で骨盤を前傾・後傾方向に動かそうとしてみてください。
かなり動かしづらくても気にせず動かそうとして見てください。

⑦足の前後関係を変えて、同じように反対側も行って見てください。
これが終わったら立ち上がり、一度歩いて見て骨盤周りの変化を感じてみてください。

骨盤周りがスムーズに動き、軽いような感じがあればOKデス。

股関節周りのストレッチ

なぜ股関節周りが柔らかいといいのか?

股関節も骨盤と同じでパワーを発揮する部分となります。
股関節が詰まっていると可動域が狭くなることによって
本来のパワーが発揮できず、高いパフォーマンスを発揮しづらくなります。

骨盤と大腿骨のジョイント部分が股関節なのですが、
ここが比較的自由に動くことによって高いパフォーマンスを発揮しやすくなります。

どうやって股関節周りをストレッチするのか?

これはパートナーが必要なストレッチになります。

①仰向けに寝た状態で右足だけ曲げた状態にしてその右足をパートナーに持ってもらいます。
このとき骨盤が浮くくらい右足を持ってもらいます。
パートナーには右手であなたの足首を持ってもらい、左手であなたの右膝を持ってもらうと良いでしょう。

②パートナーに右足を上方向に引っ張る力を加えてもらいながら、
自分ではそれを引っ張り返す方向に力を入れます。

③パートナーに右足を地面に押し込む方向に力を加えてもらいます。
大腿骨が地面に対して近づいていく感じです。

④パートナーに右足を下方向(パートナー側の方向)に引っ張ってもらいます。
このときあなたは逆方向に力を入れてください。
腰椎が丸まらないようにするのと股関節が奥に入った状態でするのがポイントです。

⑤逆側も行ってみましょう。

鎖骨・肩甲骨のストレッチ

肩甲骨を鎖骨というのは肩鎖関節という関節を有して繋がっています。
繋がっている一方(肩甲骨)だけよく動いてもう片方(鎖骨)は動かないという状況は
あまり高いパフォーマンスを発揮できるとは言えません。

肩甲骨だけでなく鎖骨も動かせるようにしていきましょう。
ちなみに鎖骨と肩甲骨が動かせると胸をしっかり張ることができ、
上から見たときに鎖骨と肩甲骨を結んだ際に、
その線で囲まれたひし形の面積が大きいほど球を速く投げることができるなど、
高いパフォーマンスを発揮することができます。

逆に良くないのはこのひし形が三角形に見えてしまうような状態です。

要は鎖骨同士がまっすぐに並んでしまっているか、
肩甲骨が背骨にべたっと張り付いて並んでしまっているかの
どちらかの状態です。

どちらにしても鎖骨か肩甲骨の可動性が低くなってしまうので
高いパフォーマンスを発揮することは難しくなります。

鎖骨

基本的な考え方は「鎖骨を掴んで揺らす」ということです。

(パートナーがいる場合)

①ペアになってまずストレッチしたい方の腕を後ろに引っ張ります。

② ①の状態でパートナーに鎖骨を掴んで揺らしてもらいほぐしてもらいます。

③喉のストレッチをします。
首の周りや顎から鎖骨にかけては様々な筋肉が存在します。
これらの筋肉が固い状態だと鎖骨が喉の方向に引っ張られてしまうため
ここをほぐします。

(パートナーがいない場合)

①右手を左の鎖骨に持っていき、手のひら全体で鎖骨を押さえます。

②顎を右斜め上に持ち上げるように動かし、鎖骨と顎を話していきます。
このとき少し顎を突き出すようにするとさらにストレッチ感を感じることができます。

③右手は右鎖骨、左手は左鎖骨を押さえ、顎を真上に引き上げていきます。

肩甲骨

基本的に背中に張り付いている肩甲骨を引き剥がす方向に力を入れていきます。

肩甲骨の溝のところに手をいれ、肩甲骨がなるべく後ろに来るようにしてあげます。

これもパートナーがいるとより効果的で、
肩を支えた状態で肩甲骨を剥がしていくようにしてストレッチすると効果的です。

まとめ

以上、パフォーマンスを上げるためのウォーミングアップについて紹介してきました。
今回の内容をまとめると以下のようになります。

・高いパフォーマンスを発揮するにはしっかりしたウォーミングアップが必要

・どの程度の時間行うべきかをデータで記録する

・自分の動きを分解して、どのようなウォーミングアップを行うか考える

・ストレッチしている部位がどのような役割を持つのか考える

・正しいやり方でストレッチを行い、パフォーマンスアップにつなげる